第16話

アレクサンダー視点

「彼女を見つけろ！」私は吼えた。「今すぐ見つけろ！」

どうして彼女を手から滑り落とすなんてことがあったのだ！？

私は激怒していた。エミリーが逃げ出したことに怒り心頭だった。

彼女はどこへ行ったのだ？

これまでの年月、どこに隠れていて、どうやって自分の匂いを遮断していたのだろう？

「彼女の狼が私を阻んだ」とゴーストが言った。「彼女は強い。私たちよりも強いかもしれない」

「お前は雪狼だぞ、ゴースト」と私は彼に注意を向けながら言った。「お前に匹敵する狼などいない」

「炎の狼を除いてはな」と彼は私の心の中で腰を下ろして言った。

「それらは絶滅した」と私は言った。「...