第21話

アレクサンダー視点

「アルファ!」国境警備隊の一人が精神リンクで連絡してきた。「何者かの匂いが国境を越えるのを察知しました。」

「何人だ?」私はデスクにペンを置きながら尋ねた。パックの報告書に目を通していたところだった。

「たった一人です、アルファ」彼は心配そうな声で答えた。

「変だな」ゴーストが言った。「はぐれ狼は通常集団で襲ってくるのに」

「わかってる」私は状況に困惑しながら言った。「おそらく奴らは一人のはぐれ狼を送り込んで気を逸らそうとしているのかもしれない」

「警報を鳴らして、全ての戦士たちにパックを守る準備をさせる必要がある」ゴーストが言い、私の心の中で行ったり来たりし始...

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