第54話

エミリーの視点

私が寝室に入ったとき、驚いた笑い声が思わず漏れた。巨大な薔薇の花束が美しく堂々と私のドレッサーの上に置かれていたのだ。五十本ほどの白いバラの中心に、一輪の赤いバラが埋め込まれていた。

それらは本当に見事で、感謝の気持ちから思わず微笑んでしまった。

「あぁ」背後からルークの声がして、私はびっくりした。きっと私のくすくす笑う声を聞いて、何が私をそんなに嬉しく興奮させたのか見に来たのだろう。

「サプライズを見つけたようだね」彼はドア枠にもたれかかりながら、のんびりと言った。

「あなた知ってたの?」私は驚いて尋ねた。

ルークはうなずいた。

「アレックスはどうやってこんなに...

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