第81話

エミリーの視点

今朝は雨が降っていて、冷たい風と激しい雨が胸の中の憂鬱な気持ちを一層強めていた。

私は物事に動揺しないよう最善を尽くしたけれど、今朝早く両親の家に忍び込んだ。結局、強がるのをやめて泣いてしまった。

「ママ」ベッドに座ったレックスが呼びかけた。「具合悪いの?」

サシャが眠っているレックスを約1時間前に私のところに連れてきた。彼女は1、2日後にホワイトムーンパックへ私たちの後を追ってくる予定だ。

私は目を拭いてベッドの彼の隣に座った。

「ママは大丈夫よ」と私は嘘をつき、頬に流れた涙をもう一度拭った。「ただアレルギーが出てるだけ」

レックスは眠そうな目をしかめて、まるで...

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