第85話

アレクサンダーの視点

私は手に持っている金色の封筒を見下ろした。私宛てのもので、少し前に手渡されたものだった。

封筒をひっくり返すと、裏側に王家の印章が見え、なぜか開けることをためらってしまった。

「何が入っているんだろう」とゴーストが興味深そうに言った。

「おそらく招待状だろう」と私は答えた。「それ以外に何があるというんだ?」

「近々祭りはないはずだけど」とゴーストが言った。「開けてみろよ、中身が気になる」

「正直、開けたいかどうかわからないんだ」と私は言った。「この封筒はホワイトムーンパックからだ」

「それがどうしたんだ?」ゴーストは混乱した様子で尋ねた。

「エミリーが気持ちを変えたとい...

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