第849話ウェディング

しかしベンジャミンは気にしなかったので、サスキアとナサニエルは二人ともほっとした。

サスキアはもうそのことを心配する必要はなかった。

彼女は決心を固め、その日のうちにナサニエルに計画を打ち明けた。

彼女が頷くと、ナサニエルはすぐさまサスキアの後頭部に手を添え、深く口づけた。ようやく彼が顔を離したとき、息は弾み、互いの額が触れ合っていた。「最高だよ、サスキア。やっと僕と結婚してくれる気になったんだね」

「この日をどれだけ待ち望んでいたことか、わかるかい?」

ナサニエルのわずかに震える声を聞き、サスキアは思わず彼に同情心が湧いた。

結局のところ、待っていたのは彼だけではなかったのだ。

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