第870話守れない

サスキアとナサニエルは、誰がどう思おうと気にも留めなかった。

「あなたとナサニエルが長続きすると思う?」

「忘れないで、あなたたちの身分は決して釣り合わないのよ。もしナサニエルが気にしていないのなら、どうしてこんなパーティーにあなたを何度も連れてくるのかしら?」

「結局のところ、彼は気にしているのよ」

サスキアは目の前の女性が、挑戦的な視線で自分を見ていることに気づいた。

そしてその女性の優雅さと気品にも気づいた。

美しい女性だが、心は醜い。

サスキアは静かに言い返した。「たとえナサニエルが気にしていたとしても、それは彼自身の問題よ。あなたに何の関係があるの?」

「それに、あな...

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