山奥に置き去りにされたので、夫も息子も捨てて「天才科学者」に戻る

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第133章 本をめくるより早い変わり身

橘芹奈は内心、氷川昴の身を案じて冷や汗をかいていた。

「蛇の道は蛇」と言うし、相手は地元で幅を利かせている連中だ。氷川昴も決して大人しいタイプではないが、いかんせん多勢に無勢である。彼がこの場で袋叩きに遭うのではないかと、気が気ではなかった。

二階堂香織がこっそりとスマホを取り出し、警察に通報しようとした、その時だ。

氷川昴はわずかに身を翻し、田久が振り下ろした酒瓶を紙一重でかわした。

返す刀で田久の手首を掴み、軽く捻り上げる。それだけで、凶器だったはずの重そうな酒瓶は、氷川の手の中に収まっていた。

瞬く間に、攻守が逆転する。

相手は数は多いが、所詮は虎の威を借る狐。力任せの素人...

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