絶色の香り

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第240話

「実は俺も瘦猴に関わりたくなかったんだ。ただ、あいつが先に手を出して昊霖と罩子龍を殴ったからな。それを黙って見過ごすわけにはいかない。昊霖も罩子龍も俺の兄弟だ。誰が俺の兄弟に手を出したなら、それは俺に喧嘩を売ってるのと同じだからな」

俺が夏雨涵に向かって頷くと、彼女は理解を示すように俺を見つめ、突然両手で俺をぎゅっと抱きしめた。頭を俺の胸に埋めながら言った。

「楊晨宇、気をつけてね。あの高少杰はただ者じゃないって聞いたわ。周りに結構な人数がいるんだから!」

高少杰というのは瘦猴の本名だ。名前はいい感じだが、人間がダメなんだよな。俺は夏雨涵を抱き寄せて言った。

「心配するな。お前がくれた数珠...

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